鉄道模型用語 タ行〜ハ行
タ行
【第3セクター】
国や地方自治体、民間などの共同出資によって設置された事業体。鉄道業界では国鉄・JRから分離された路線の運営を目的に設立された第3セクターが多い。
【台車】
鉄道車両では車輪、軸受け、ブレーキ、緩衝装置、モーター、駆動装置など機械的な各部品を一まとめにした走行用のユニット。
【台車枠】
Nゲージでは前記の台車から車輪を除いた部分を指すことが多く、プラスティック製完成品の場合ほとんどが軟質樹脂による一体成型で作られている。
【ダイヤフラムカプラー】
KATOが新幹線製品に採用している連結器で、貫通幌を模した形状の伸縮式カプラー。実感的な連結面間隔とカーブ走行時の確かな動作を両立している。
【ダブルデッカー】
車両の内部を2層構造としてそれぞれに客室を設けたいわゆる2階建て車両。リゾート列車では車両に魅力を加えるため、通勤列車ではラッシュ時の乗客定員増強を図るために導入されている。
【ダミー】
元々は実物に似せて作った擬装品の意味。模型では点灯機能のないライトや自走しない機関車など、外観重視で機能面が省略された状態を指すことが多い。
【ダミーカプラー】
模型の先頭車の前面などに用いられている、実車の形態を再現するための連結機能を持たないカプラーのこと。
【単品】
1両ずつ販売されている車両製品。ほとんどの機関車や1両単位で増減される電車、気動車、客車、貨車がこの販売形態をとる。
【中間車】
編成の中間に連結されることを前提に製造された車両で、通常は運転台や車掌室を持たない。
【直流】
電流・電圧の正負が一定方向の電気。鉄道では、大都市圏の通勤路線や私鉄各線、東海道・山陽本線など主要幹線などで用いられている。
【妻面】
列車の連結面の内側に向けられる部分。編成の表に出ない部分で、電気配管や職員が昇降するためのステップなどが設置されていることが多い。プラキットの部品単位から妻板(つまいた)と呼ばれることもある。
【テールライト】
列車の最後部を示すために設けられている赤色の標識灯。
【ディーゼル機関車】
ディーゼル機関を動力として稼動する機関車。電気のない非電化路線で蒸気機関車に代わって活躍している。
【ディティール】
模型に施されている細部表現。
【ディティールアップ】
加工によってさらに細かなディティールを表現することなどを指す言葉。
【ディレクションスイッチ】
パワーユニットで操作する列車の進行方向(ディレクション)を切り替えるスイッチ。
【デカール】
薄いフィルムに文字や模様を印刷したシールで、水に濡らすことで台紙から剥離して模型に貼る。
【デフォルメ】
本来は形を変えることを意味する言葉。鉄道模型では走行性能やカプラーなどの機能を優先させるためにあえて実物と異なる形状とすることや、Bトレインショーティーに代表されるように可愛らしさを与えるために全長を短くすることを指して使われることが多い。
【電気機関車】
電気を動力源として稼動する機関車。
【電球】
電気によって金属線を熱することで光を得る照明装置。Nゲージでは蛍光灯登場前の旧型車両の室内灯や今なお多数派である白熱灯ヘッドライトの光を再現するのに有効である。
【電車】
電気を動力源として自走する客室・荷物室を備えた車両。
【テンダードライブ】
テンダーとは蒸気機関車を動かすのに必要な水・石炭を搭載する車両のこと。Nゲージの蒸気機関車では収納スペースなどの関係からこのテンダーにモーター・駆動装置を搭載する場合があり、それを指してテンダードライブ方式と呼ぶ。機関車本体(エンジン)のディティール・サイズを実感的にできるというメリットがある。
【道床付レール】
レール・枕木・バラストが一体となったNゲージで最も普及している形態の線路。組立・解体が容易な点が大きなメリット。道床とはレール・枕木の土台を指す言葉である。
【動力車】
鉄道模型ではモーターを搭載した車両を指して呼ぶことが多い。
【動力台車】
動力車が装備している台車。動力をレールに伝える駆動装置を内蔵するため、通常の台車とはまったく構造が異なる。
【動力ユニット】
モーター、駆動措置、台車など動力車の下廻りを一まとめにしたもの。補修・キット組み立て用に単独販売されているものもある。
【特別企画品】
KATOが個性的なバリエーションの車両を製品化する際にとる販売形態。他社の限定品に相当するラインナップであるが、販売後の状況次第で再生産を行う場合もあり、中古市場における過度のプレミアがつかないように配慮している。
【塗装済キット】
各部品に着色した状態で販売されている組立式のキット。塗装行程を省くことができるので完成させることが容易となっている。
【ドライブラシ】
塗装技法の一つ。筆に含ませた塗料を拭い取り、乾きかけの状態にして叩いたりこするようにして筆目のでないように塗る方法。ウェザリングなどでよく用いられる。
【トレーラー車】
動力を持たない車両を指す。Nゲージの電車・気動車では1編成に動力車は1〜2両あれば十分であり、大部分がトレーラー車となる。
【トレインマーク】
国鉄・JRの電車・気動車特急が前面に掲示する列車名を表示する装置、あるいはその絵柄のこと。当初は文字のみの表示だったが、1970年代後半にイラスト化されてからブームとなった。現在ではLEDなどにより表示されている列車も多い。
【トレインマーク変換装置】
KATOが独自に開発したもの。トレインマークを自在に変えられるようにすることで、一つの編成で様々な列車を再現して楽しむことができる。先頭車・緩急車の内部に設けられた円筒状のパーツに4種類のトレインマークが印刷されたフィルム(交換可能)を設置し、車両に付属するドライバーで回転させる装置。
【ドローバー】
車両ごとに分割しない構造となっている棒状の連結器。Nゲージでも一部の製品で採用されている。
ナ行
【軟質樹脂】
台車枠や連結器など強度・柔軟性・弾力が必要な機能部品に多く用いられる材質。塗料や接着剤が乗りにくい性質を持つ。
【ナンバープレート】
鉄道車両では車体番号を表示する板状の部品を指し、主に機関車などで使用される。Nゲージではそれと同様の部品を複数容易し、機関車のナンバーを選択可能としていることが多い。
【ニッパー】
パーツの切断などに用いるハサミ状の工具。プラスティック製のキットを製作するのには欠かせない工具の一つ。
ハ行
【パーツ】
部品。Nゲージではアンテナや信号炎管など車両製品に付属しているユーザー取り付け部品を特に指していることが多い。
【ハイデッカー】
客室の床が高くなっている車両のこと。視線を多角することで沿線風景をよりワイドに楽しめるようリゾート車両などで多用されている。
【白色LED】
近年になって実用化・普及が進んでいる白い光で点灯するLED。Nゲージでもトレインマークや客室灯に用いられている蛍光灯の再現に適しているため、ヘッドライトや室内灯の光源として使用が拡大している。
【パテ】
ペースト状・粘土状で販売されている合成樹脂製工作材料。溶剤の乾燥や化学反応で硬化し、キットの継ぎ目に生じた隙間を埋めるなどの用途で用いられる。
【バラスト】
鉄道では線路(道床)に敷き詰められる砂利を指す。
【パワーパック】
メーカーによってはパワーユニットとも呼ぶ。鉄道模型を運転する際に用いるコントローラーを兼ねた電源装置で、電圧または電流の大小で列車の速度を変化させる方式が一般的。
【ハンダ(半田)】
スズと鉛からなる低融点の合金。ハンダゴテと呼ばれる工具で加熱して溶かし、金属部品の接合に用いられる。
【パンタグラフ】
語源は製図用の写図器。電車や機関車が架線から電気を集電するための装置。これまで菱形のものが一般的であったが、近年になって下枠交差式やシングルアームなど様々なものが登場している。
【パンタグラフカバー】
新幹線などで架線とパンタグラフとの摩擦で生じる騒音を軽減するため、パンタグラフの両側面を囲うようにして設置されるカバー。
【ヒューズ箱】
電気回路に過電流が発生した際、危機の破損を避けるため回路を遮断するヒューズという装置を収納する箱。電車の複雑なパンタグラフ廻りを構成する部品の一つ。
【フィーダー】
鉄道模型では車両を動かすための電気をパワーパックからレールに供給する電線を意味する。
【ブック型ケース】
複数の車両をまとめて収納する容器。その形状からブック型ケースと呼ばれることが多く、車両の整理、保管に便利。車両セット各種もこのケースに収納された状態で販売されることが多い。
【フライホイール】
はずみ車。モーターに接続される高精度な金属製の円筒形部品で、適度な惰性を与えることで多少の集電不良の状態でも車両を滑らかに走行させることができる。主に機関車製品に取り付けられていることが多い。
【プラキット】
プラスティック製の、特にインジェクション成型によって製造された組立式模型製品を指す。Nゲージではグリーンマックス製品が有名。
【プラスティック】
元来は可塑性樹脂。合成樹脂類の総称。Nゲージでは特にスチロール樹脂、ABS樹脂など車両製品の車体に用いられる材質を意味していることが多い。
【プラモデル】
プラスティックモデルの略。プラスティックを材料とする組立式の模型。走行を前提としないディスプレイモデルや電池で走行するNゲージの規格と無関係なものを特に区別して呼ぶときに使われることが多い。
【振り子機構】
KATOが独自に開発したNゲージの走行機構で、振子式車両の製品に搭載。実車同様カーブで車体を内側に傾けて走行する姿を再現している。
【振子式】
曲線を通貨する際の遠心力を弱めるために車体をカーブ内側に傾ける方式で、曲線通過速度を向上させるために国鉄381系から採用された。
【フル編成】
実車の編成両数省略することなく、そのまま模型で再現したもの。
【ブレーカー】
パワーパックの破損につながる過電流やショートの際、自動的に電流を遮断するための装置。
【プロポーション】
外観のつりあい、均整を指して用いられる言葉。
【分割式レイアウト】
収納・運搬の便を考慮して分割可能な構造とした固定式レイアウトのこと。
【ヘッドマーク】
機関車などの前面に掲げられる愛称表示板。電車・気動車のトレインマークとは区別されることが多い。
【ヘッドライト】
前照灯。夜間に運転士・機関士の視界を確保するために用いられる他、近年では踏切などで列車の接近を知らせるため昼間でも点灯している場合が多い。
【別パーツ化】
細密化や色分けを目的として別々の部品にすること。
【ベンチレーター】
通風器。車内に車外の空気を取り入れて換気するために主に屋上に設置される装置。
【ホイッスル】
鉄道車両では警笛のことを指す。
【ポイント】
線路の分岐地点に設置され、列車の方向転換を行う装置。NゲージではTOMIX・KATOともパワーパックの側にいながらにして電動で動かすことができる。
【ポケットライン】
KATOが展開している小型のデフォルメ車両シリーズ。その動力装置などはBトレインショーティーなどにも対応している。
【ボディキット】
下廻りは既存のキット・完成品から流用して、車体部分のみを製作するためのキット。Nゲージでは真鍮製とレジン製はそのほとんどを占めている。
【ボディマウント】
実物の鉄道では着雪対策や空気抵抗の軽減を目的に床下機器を床下までで伸ばした車体の内側に納める方式を指す。模型では主にカプラー台座を車体(床板)に固定した状態で用いる方式を指して言うことが多い。
【ホワイトメタル】
スズと亜鉛の合金。融点が低いため部品の複製材料にて適しており、真鍮キットに付属する車両の前面や屋上機器などでよく用いられる。